朝食を食べない現状について

みなさん朝食はしっかり食べていますか。近年20~40歳代の朝食を食べていない人の割合が高くなっているのです。国民の10人に1人が朝食を食べていません。
朝食をほとんど食べていない若い世代の割合は2019年度で25.8%でした。「朝食の摂取頻度」(図表1-7)をみると若い世代の男性では、31.5%、女性では21.0%が朝食を食べていません。そのうち「ほとんどたべていない」と回答した人の割合は男性が21.0%、女性は11.8%と5人に1人が朝食をほとんど食べていません。また、「ほとんど毎日食べている」と回答した若い世代の割合は男性が58.0%、女性69.2%で他の世代に比べ低値でした。
「朝食を食べるために必要なこと」(図表1-8-1)では、若い世代においては男女ともに「朝早く起きられること」をあげる人が最も多いです。次いで多いのが男性は「自分で朝食を用意する時間があること」、女性は「朝、食欲があること」でした。
このことから生活リズムと朝食欠食が関係していることが分かります。就寝時間の見直しや夕食開始時間の見直し、夜食の摂取状況など様々な角度から課題を探し、改善していく必要があります。



朝食を食べないことのリスク

エネルギー代謝には神経系の関与もあり食後にエネルギー消費が増大する食事誘発性熱産生は、太りやすい体質の人は普通の人に比べて低いことが明らかになっています。肥満の人は*食事誘発性熱産生によるエネルギー出納(エネルギーバランス)の調節機能が低下しています。
朝食で多少食べ過ぎたとしても食事誘発性熱産生が上昇することで消費エネルギーも増えるが、夜食を食べた場合はこの調節機能が働きません。そのため朝食を摂らないことで結局、1回の食べる量が多くなり、食べるスピードも速くなるため太りやすくなることがわかります。
一方、朝食を食べないことは脳・神経系へのエネルギー補給の観点からも問題が起こります。脳・神経系は他の臓器と異なりブドウ糖を唯一のエネルギー源としており、筋肉のグリコーゲンがブドウ糖として血液に放出されないため糖質はすぐに枯渇してしまいます。
朝食を食べないと午前中の血糖上昇が悪く、脳・神経系へのエネルギー供給が不十分となってしまいます。
*食事誘発性熱産生:食べ物を消化吸収する際に消費するエネルギー
朝食を習慣づけるには?・おすすめの朝食の食べ方

ここからは朝食を食べやすくするにはどのような方法がオススメかについて考えていきます。
まず朝食を食べない人は原因にもあったように朝はギリギリまで寝ているという場合があります。よって段階を踏んで朝食を食べるという習慣をつけることが必要になります。まずはすぐ食べることができるもの(パンやおにぎり)を口に入れるとよいです。時間がないという人は前日の夕食をとりわける・市販のおにぎりなどの方法がオススメです。これが習慣化してきたら、徐々にすぐ食べられるもの同士を組み合わせることや主食・主菜・副菜の献立をたてることで朝食が習慣化し、バランスの良い食事をとることができます。
また朝は食欲がわかないという人は胃を目覚めさせることが必要です。そのためには水や牛乳などを飲むことが効果的です。よって朝食にスムージーを作ることで食欲のない人も食べることができるのでオススメです。
たんぱく質は朝に不足しがち!

たんぱく質は血管や皮膚、筋肉や髪などを作る大切な栄養素です。たんぱく質は体内でアミノ酸に分解されて、体中の臓器や器官などで利用されています。しかし、寝ている間はたんぱく質の供給がないのでアミノ酸が不足しがちになります。すると、筋肉を分解してアミノ酸を作り出そうとします。
朝にたんぱく質をとらないと昼まで筋肉の分解が続くこともあります。
朝、時間がない人などはプロテインなどもオススメです。朝食が習慣化してきたら簡単に摂れるたんぱく質源の卵、納豆、豆腐、ヨーグルトなどもプラスできると良いですね。
朝食欠食改善レシピ チーズおかかおにぎり

ここまでの話をから朝食にオススメのレシピを紹介します。
材料
- あたたかいご飯―125g
- しょうゆー小さじ1(6g)
- チーズー1個(13g)
- かつお節―3g
作り方
① チーズを好みの大きさにちぎる
② 温かいご飯に①と醤油を加え、よく混ぜる
③ ②を2等分にわけ、好きな大きさに握れば完成
!ポイント!
時間のない朝にすぐ食べられるおにぎりを準備。また前日の夜に準備し、冷めても食べられる、レンチンしてもOKな朝食にした。