貧血の際に避けたほうが良い食品について
貧血予防について、紅茶やコーヒーといった食品は避けたほうが良いという話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。しかし、漠然と知ってはいるものの、具体的になぜなのかという理由はあまり知られていないかもしれません。今回は、なぜ避けたほうが良いといわれる食品があるのか、そしてどのような食品がそれにあたるのか、説明していきます。
なぜ貧血のときには避けたほうが良いといわれる食品があるの?
貧血のときに避けたほうが良いとされている食品がある理由は、鉄分の吸収を邪魔してしまう成分を含んだ食品が存在するからです。成分の種類・原理としては主に以下のようなものが挙げられます。(表1参照)
貧血の中で最も多いとされている鉄欠乏性貧血は、鉄分を補給することで予防・改善することができます。しかし、鉄分を含んだ食品を食べたとしても、上記のような成分によって身体の中で鉄分を吸収しにくいような環境となっている場合、鉄分を吸収できず、結果として鉄分が足りないままの状態となる可能性が高くなります。
上記の成分の原理には諸説あり、特にタンニンに関しては昨今、鉄分が欠乏した状態の体内では、必要以上に鉄分と結合せず、身体への影響もないといった意見もあります。また、栄養素単体では身体にとって必要なものでもあります。そのため、完全に避けるのではなく、多少摂取のタイミングをずらしたり、鉄分を含んだ食品と組み合わせすぎたりしないように意識しつつ、あくまで栄養バランスの良い食事を心掛けることが大切です。
鉄分の吸収を邪魔するとされている食品とは?
ここまで鉄分の吸収を邪魔する成分を紹介してきましたが、ここからはそれらがどのような食品に含まれているのか紹介します。各成分に対応する主な食品としては、以下のようなものが挙げられます。
- タンニン、カフェイン…コーヒー、紅茶、緑茶
- リン酸…インスタント食品、スナック菓子等の乳化剤・安定剤・防腐剤
- シュウ酸…ほうれん草やタケノコ
- 食物繊維…ごぼう、タケノコ、おから
これらを摂りすぎていると、鉄分をうまく吸収することができない可能性があるため、摂取頻度について一度振り返り、調理方法等を工夫すると良いでしょう。例えば、コーヒーや緑茶を日常的に摂取している際には麦茶など、タンニンやカフェインの量が少ないものに少しずつ変えていくよう心掛けることをおすすめします。その他、食物繊維は、鉄分を流すとされてはいるものの、不足しすると便秘等の症状がでることから体内に必要な成分でもあるため、完全に避けることはしないように注意しましょう。