貧血予防のための食事

貧血予防のための食事

貧血とは?

貧血

貧血とは、血液中のヘモグロビンの量が少なくなった状態のことです。ヘモグロビンは血液に含まれるたんぱく質の一種でヘム(鉄)とグロビン(たんぱく質)が結びついたものです。ヘモグロビンの体内での役割は酸素の運搬です。ランニング中の筋肉は大量の酸素を必要とするため、ヘモグロビンが減少すると酸素運搬能力が低下し、疲れやすくなったり、パフォーマンスが低下しやすくなったりします。貧血は様々な要因によって発症しますが、スポーツマンが引き起こす貧血は、鉄欠乏によるものが多いです。特にダイエット中や元々食事量が少ない方は、鉄分やたんぱく質など身体に必要な栄養素が不足してしまい、貧血気味になってしまう方も少なくありません。貧血を予防するためには、食事からしっかりと鉄などの必要な栄養素を摂ることが大切です。以下のような食事を心掛けましょう。

1.エネルギーを十分にとりましょう

炭水化物

通常、貧血予防というとすぐ鉄分が思い浮かびます。しかし、それよりも大切なことは十分なエネルギー摂取です。身体活動のエネルギーの主役は糖質(炭水化物)であるため、糖質を摂取しないと、運動のためのエネルギーに加えて、生命保持のためのエネルギーが不足します。すると身体は、体のたんぱく質を分解してエネルギー利用してしまいます。その結果、筋肉が痩せ、ヘモグロビン合成のためのたんぱく質も不足してしまい、体内にいくら鉄があってもヘモグロビンを作ることはできません。そのため、貧血予防の最優先課題は十分なエネルギー摂取であるといえます。

2.鉄を多く含む食品を十分にとりましょう

レバー

貧血予防といえばやはり鉄の摂取が肝心です。鉄分の推奨量は、成人(18歳以上)女性で1日(月経なし)6.0〜6.5ミリグラム、(月経あり)10.5〜11.0ミリグラム、成人(18歳以上)男性で7.0〜7.5ミリグラムです。また、妊娠中や授乳中は鉄の必要量が増加します。鉄を含む食品をしっかり食べるようにしましょう。食品に含まれる鉄はヘムという構造を持ったヘム鉄と持たない非ヘム鉄があります。ヘム鉄は主に肉・魚・レバーなどの動物性食品に含まれ、比較的吸収されやすい鉄です。ヘム鉄の場合は15〜25%が取り込まれます。一方で、非ヘム鉄は主に野菜・海藻・大豆などの植物性食品に含まれ、吸収されにくい鉄です。ヘム鉄に比べると、体内に取り込まれる割合は2〜5%と低いので、注意が必要です。貧血予防にはヘム鉄を多く含むレバー、牛赤身肉、カツオ、マグロ赤身などを積極的に食べるとよいでしょう。

3.非ヘム鉄は吸収を高めるたんぱく質・ビタミンCと一緒にとりましょう

ひじきの煮物

鉄の吸収率は体内に貯蔵されている鉄の量によって異なり、貯蔵鉄の量によって吸収率は変化します。これは生体が体内鉄の量を厳密にコントロールしている証になります。鉄のうちヘム鉄の吸収率はこの貯蔵鉄量の影響だけで変化しますが、非ヘム鉄は貯蔵鉄量のみならず、食べ合わせの影響も受けます。特に、たんぱく質とビタミンCとを同時に摂取することで、非ヘム鉄の吸収率が増加するといわれています。よって、非ヘム鉄を多く含む小松菜、ほうれん草、ひじきなどはたんぱく質の多い食品やビタミンCの多い食品と合わせて食べるようにするとよいでしょう。

ひじきとささみの梅和え

ひじきとささみの梅和え

鉄分がとれる貧血予防レシピ

〈材料〉2人前

  • ささみ 2本
  • 乾燥ひじき 5g
  • 梅干し 2個
  • 鰹節 大さじ1
  • ポン酢 大さじ1/2
  • すりごま 適量
  • 酒 小さじ1

〈作り方〉

1.ささみは筋を取り除き、包丁で所々に切り込みを入れて酒をふって軽くもむ。ラップしてレンジで2分加熱し、食べやすい大きさに割いておく。

2.ひじきは袋の表記通りに戻して水気をしっかりと絞る。梅干しは種を取り除き、包丁で叩いておく。

3.ボールに鰹節、ポン酢、すりごまを入れて混ぜる。そこに、梅干し、ひじき、ささみの順に混ぜながら入れる。全体に味が馴染んだら完成。

ひじきは非ヘム鉄を豊富に含む食品です。そのため、ささみ肉などのたんぱく質を多く含む食材と一緒に摂取することで、鉄の吸収率が高まります。また、梅干しやお酢、レモンなどの酸っぱいものと一緒に摂取することで、胃酸の分泌が促進され吸収率が高まるため、より一層効率よく体内に取り込むことができます。食べ合わせにひと工夫加えて、貧血を予防しましょう。



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